12/21 セカンドオピニオン その2 生体肝移植の前にもう一度切除にトライしようと思います!!
昨日に続き、更に別の病院にも訪問。
ここは移植コーディネーターという方(看護師)が様々なセッティング、及び先生と患者の橋渡しをしてくれた。
実は、今回紹介された先生は、前回手術をして頂いた執刀医の元上司にあたる方だったので、話がとてもスムーズだった。
今は、病院が異なるので、同業の飲み友達と執刀医の先生は言ってたが、その後に二人が会った時の会話を聞いてたら、どう見てもいまだに上司部下やんという、会話だった。
飲みでは、絶対割り勘じゃなく、おごってもらっていると思ったぱぱだった。
それはさておき、ミーティングが始まった。事前に先生間で連絡が行っていたようで、いきなり先生からの説明が続いた。
- 肝外への転移はない。→肝臓移植が可能
- 肝静脈との距離が1-2ミリ程度なので、切除できるかは微妙。中央二区域で切れるかもしれないが、中央に腫瘍があり、大血管に近いので、切除不能であれば移植となる。
- 肝臓移植と肝切除では、移植はとても大きな手術で、手術やその後の合併症の可能性も切除より高いので、切れるのであれば切除のほうが良い(雑誌Cancerに切除できるものは切除すべきとあった)。
- AFP12万は高いので、ITECを1クール行い、できれば10万以下で手術をしたい。後、術前の転移を避けたい。
- 左の門脈の枝に腫瘍がかかってるかもだと切除は厳しい(右は腫瘍にかかっているので)
- 再発を見据えると、切除の場合は再度外科的アプローチができるが、移植の場合は大量化学療法が残されるのみ
- 過去、肝芽腫の移植は43名で、5年生存率は約7割。
- 移植か切除化は、術中に判断する。切除をトライし、無理と判断すれば、移植に切り替える二段階式を考えている(実際は三段階式で当日は行われていたよう)。
- 移植後は免疫抑制剤を必ず使う。まれになくても問題ないように見える子もいるが、止めると徐々にだが肝臓の線維化が進むことが分かったので、止めても拒絶反応が見えないようなケースでも使っている。免疫抑制剤をやめるのは、副作用で止めざるW得ない場合のみと思ってください。
- 移植の術後の化学療法は、イリノテカンという薬を使う(今の病院ではいらないといっていたので、この辺はまだコンセンサスの無い領域のようだ)
- 移植後は、一か月程度は入院が必要だが、これは術後の合併症や回復の仕方次第で長引く場合がある。あっちゃんはICUで一週間程度は過ごすことになるとのこと。
- 手術時間は、切除だと6時間、移植だと8時間(ドナーの時間を入れるとトータル12時間くらい)
- 免疫抑制剤の適量は、個々人ごと異なる為、手探りで探っていく。退院までには適量を見極め、また薬の種類も徐々に減っていく。
と、いろいろ説明される。で、先生が最後に、”わからないことは全部僕に聞いてください。疑問点は全部答えます。手術については、僕に任せてください。あっちゃんに一番いい方法で対応します。切除できる自信はあります。”
あっちゃんと似たような症例のおこさんで実際に切除成功したことがあるとも教えてもらった。
正確にこの時先生がなんと言ったかは覚えていないが、この瞬間、この先生にすべてを託そう、、、、あっちゃんぱぱままともそう思った。
絶対になんとかします!という気持ちがものすごく伝わってきた。
この病院では、肝切除でスタートして、ダメだったら同日その場で生体肝移植に切り替えることができると言うのだ。
あっちゃんの負担を考えても同日に全部すむのがいいと思った。
続けざまに、この後時間あるから、あっちゃんを見に行こうと思うけど、ぱぱままは大丈夫ですか?と言われ、あっけにとられながらも承諾する。ここからあっちゃんの病院まで一時間近くかかるのに、、、、。
で、先生は残務処理が終わったら駆けつけるので、先に戻っててくださいと言われ、けちって、一般道で世田谷通り経由で戻ると、高速を使った先生に先を越され、ちょっと恥ずかしい思いをした。
こんなにフットワークの軽い先生もいるんだ、、、、と思った。肩書きは、とても偉いのに。で、例の元部下の先生が病院のガイド役のように一緒について回っていた。
で、そそっと小声でその先生に、今日会って、お願いしようと思いましたと言ったら、とてもうれしそうにうなずいていたので、たぶん自慢の上司なんだろうな〜と思った。
で、この場で、今後のスケジュール等が話し合われ、12月中にITECを1クール行い、1/26か2/3に手術することになった。
カチっと秒針が動き始めた。
あっちゃんファミリーの止まってた時間の流れが再び動き始めた。
ままは、この先生に「僕たちは、あっちゃんがこれから、大きくなって、大人になって恋をして、結婚して、おばあちゃんになるまで頑張ってもらうように努力して、一番いい選択をします。そのためには、生体肝移植の前にもう一度切除にトライしようと思います」
と言ってくださった言葉が忘れられない。
肝芽腫を告知された時以外に医者とのカンファレンスで泣いた事はないのだが、さすがに涙が出そうになった。
2日間にわたってカンファレンスが続き、とても疲弊したけれど、どの先生もオーラがあり、この先生なら助けてくれるかも、と心から思える素晴らしい先生たちだった。
この日、2院目のここの病院で手術をすることを決断したのだが、1院目の先生は本当に断るのがもったいないくらいのいい先生で、贅沢な選択だと思った。
実際、どちらもとても有名な先生で、贅沢な選択なのだが。
数日後・・・入院している病院から1院目の病院へお断りの連絡がまだ行ってなかったらしく・・・・なんと・・・。
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自宅にその先生から電話が入った。
「あっちゃんの症状ではゆっくり決断している時間はないので、どうされたか気になって・・・」
まま、恐縮・・・慌てて
「申し訳ありません、話をしてたもうひとつの病院でやることにしました」
と、答えたところ
「ああ、よかった。あっちゃんには時間がないですからね、決まったならよかったです」
と、言われた。
病気になってお世話になりたくはないが、何かあったらお世話になりたいと思う先生だった。