10/28 免疫細胞療法 その2 WT1ワクチンとGPC3ワクチン
肝芽腫(肝細胞がん)に関する免疫細胞療法について調べてみた。3つ見つかった。
- WT1ペプチドワクチンを用いた免疫療法
- GPC3(グリピカン3)ワクチンを用いた免疫療法
- GC33(抗グリピカン3抗体)を用いた免疫療法
- NK細胞を用いた免疫療法
1のWT1ペプチドは大阪大学で発見された万能腫瘍マーカーだそうで、体内で、WT1を発現している腫瘍に向かって攻撃するように樹状細胞を教育するものです。下のように様々ながんに発現しているたんぱく質です。
国内での小児がんでの臨床結果のレポートで肝芽腫での実施例が1例あります。
同一人物が二クール実施し、一クール目は効かず、二クール目は転移例のAFPの上昇を抑制、横ばいで推移とあります。
2のGPC3(グリピカン3)ペプチドは、国立がん研究センターで開発が進められている免疫療法で、肝芽腫での実績はまだないようですが、肝細胞がんでの実績は上がっており、現在臨床を重ねているところのようである。基本はWT1ペプチドと同様のメカニズムで、目標をWT1にするかGPC3にするかの違いだとか、、、肝臓のがんにしかでないGPC3のほうが、肝芽腫なら効く可能性が高いのでは、、、、と期待したくなるしろもの。
3のGC33というのは、中外製薬が開発しているもので、(これも肝芽腫ではなく、肝細胞がんをターゲット)まだ臨床実験の初期段階(試験参加を打診した時は、現在の安全性確認段階の募集は終了していました)で、実用化は少し先になりそうですが、、、、。ターゲットはGPC3なのですが、左様メカニズムが2とは違うようです。
2は、樹状細胞→CTLと呼ばれるT細胞がGPC3をターゲットに腫瘍を攻撃。
3は、ADCC活性というメカニズムで、NK細胞がGC33をターゲットに腫瘍を攻撃、、、、だと思う、専門家でないので、この辺で。
4のNK細胞というのは、広島大学で、生体肝移植の際に活用されています。
広島大学で、生体肝移植後の再発防止を目的にドナーから採取したNK細胞を患者に静脈注射するというもの。再発率の低下が見られ、注目されている療法です。
成人の肝細胞がんに対する生体肝移植のケースで、まだ、子供でこれをやった例はないようですが、、、、JPLT(本部が広島大学で同一なので)にこのNK細胞の活用法を肝芽腫に使えないか聞いてみたことがありますが、この療法は、肝細胞がんの温床になっているウィルス性肝炎の症状を抑える為のものであって、肝臓がんの再発そのものにダイレクトに効くとは考えていないと、回答がありました。これを開発した教授のコメントからは、肝細胞がんの再発自体の抑制とウィルス性肝炎の抑制の療法に効果がありそうとのコメントもあるので、気になるところではありますが、JPLTのプロトコルに入るような療法ではなさそうですね。
ちなみに、もともとのANK免疫療法の会社にはもちろん行ってきました。その件は、またおいおいということで。
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AST 19/ALT 9/WBC 2.0/RBC 3.36/PLT 73/ CRP 3.75