12/15 友人医師のアドバイスと、珍客の訪問

一夜があけた

摘出に失敗し、辛い夜が明けた。
手術がうまくいかず、辛いという気持ちは実は2日目の方が強かった・・・
ぱぱとままで、どうしてなんだろうと言い合った。
しかし、ここで何もしなければ事態は悪化するしかない。踏ん張りどころだ。

実は、13日の手術前日に、もし手術で摘出できなかった際は、あらゆる方向性を検討する為にセカンドオピニオンを取りたいがいいか?と打診をし、事前にそれとなく内諾は取っていたのだ。

その為、手術の翌日からアクションがとれたような気がする。これは、病院に対する手前もあるが、自分自身に言い聞かせていた気もするし、事前に切除できなかった場合のシナリオを少しだけ想定していたので、動けたのだと思う。

更に、この時に、ボストンで知り合った医師の夫婦も、自分の家族のことのように動いて調べてくれたのは、本当に感謝している。

本当に力強い援軍だったし、そのおかげで、一番の大底から、あっちゃんともども這い上がれたのだと思う。

この時、病院の外科医を信頼していなかったわけではないが、まだ若く、経験面で若干不安があった為、肝芽腫の切除、移植で実績がありそうな病院を自分なりに調べ、そこで切除か移植かの判定を再度してもらい、そのままベストの手術をその病院でしてもらうことを考えていた。

外科医からは移植を推薦され、関東で実績のある病院としては、①成育医療センター②自治医大病院③慶応大学病院の3病院を紹介された。

切除できないかという点について、腑に落ちなかったので、WEB等で調べたところ、慶応大学病院が肝芽腫の切除では実績がありそうだった。

かつメール等での問い合わせ口もあり、セカンドオピニオンを聞きやすそうだったので、慶応大学病院、それから肝移植では成育医療センターの実績がずば抜けていたので、ここもセカンドオピニオンを聞くことにした。外科医の先生にお膳立てをお願いした。

この時の外科医は本当によく動いてくださった。切れなかったことへの責任感もあったのだろうが、それ以上に良くしてくださった。
なので、この先生との関係は術後も良好だ、、、、再手術にも助っ人で参加してくれた。

この時、執刀医の先生が撤退したのは「勇気ある決断」だったと、それぞれのセカンドオピニオン先の先生たちがおっしゃった。

外科医は切りにいきたくなる、攻めたくなるものらしいのだが、無理に攻めて切除して、結局は癌細胞が残ってしまったり、体中に散らばらせたりするととても予後が悪くなるので、次につながるように撤退したのではないのかという見解だった。
生体肝移植という次の手があるからこそでもあるのだが。

訪問者来る、クリスマスイベント

この日、あっちゃんにはサンタクロースが来た。
病院のクリスマスイベントがあり、フィンランドからの公認サンタさんが来たのだ。
サンタさんはお菓子の袋と熊のぬいぐるみを渡してくれた。
あっちゃんは、ぱぱままからのクリスマスプレゼントもサンタさんにもらったと信じている。
何回も「たんたさん(さんたさん)あっちーむ(あいすくりーむ)のおもちゃくれたの」と言っている。
術後ではあったが、印象がとても強かったようだ。

クリスマスイベントでは、患者の親有志による出し物があって、AKBのヘビーローテーションを踊ることになっていた。
お調子者のままも誘われていたのだが、手術の翌日だから何かあったら・・・ということでメンバーには入らなかった。
本当に「何か」おこってしまい、とても歌って踊れる気分じゃなかったので、この判断は正解だった。

あっちゃんはみんなの練習風景を見ていて、「あいうぉんちゅー!」とか「あいにーじゅー」とか言ってて参加したそうだった。
歌と踊りが大好きで、シャイなんだけれど保育園では曲がかかると豹変するタイプ。
イベントが始まって・・・・あっちゃんの状態がいいし、せめてダンスだけでも見せてあげたいなぁと思い、看護師のMりーさん(あだ名)にちらっと言ってみた。

「よし!あっちゃんをベッドごと出そう!」と言ってくれた。
この頃は呼吸に酸素の助けが必要だったので、酸素ボンベを用意してくれて
「あっちゃんまま、早く気が付いてあげられなくてごめん!」とまで言ってくれたのだ。

あっちゃんが出てきたとき、闘病仲間のママが「あっ!!!」って顔をして、そして下を向いた。
目をぬぐっていた。

あっちゃんは、踊りを食い入るように見ていた。
この時は酸素マスクはしてないのだが、お腹の痛みが出てくると心拍数があがり、血中酸素飽和度が下がるのでマスクをあてることになる。
ということで、ベッドにモニターも付けたまま参加させてもらった。

闘病仲間のママや、子供たちが踊っていた。
踊りに参加しなくても、ボランティアで子供たち(少し大きいおねえちゃんたち)をメイクアップ、保育士さんたち、担当の方々(普段化粧っけなし)をメイクして、という事をされた方がいた。
みんなで楽しもうとがんばったイベントだった。

あっちゃんは踊りだけを見てちょっとしたら、雰囲気を楽しんだことに満足したのと、まだまだ疲れているのでしばらくして部屋にもどった。
この日、病棟が1年で一番盛り上がる日で、クリスマスディナーもみな楽しんでいたようだ。
フィンランド公認のサンタさんとの質疑応答などもあった。

あっちゃんはまだご飯が食べられず、食事風景を見てないのでわからない・・・
イベントの写真を撮っていただいたのだが、ぱぱまま、全然顔が笑っていない、我ながらひどい顔している。

この日、もうひとりのサンタさんが来た。
とあるスポーツ選手で、毎年慰問に来てくださるそうだ。
プレイルームでお話を聞いた。
子供より大人の方が「わー!○○さんだ!」という、感じではあるのだが
数か月たってもその選手の真似をしている男の子がいるので、子供たちも夢を貰ったという感じだろうか。
あっちゃんは部屋から出られないので(出ちゃったけれど)ベッドサイドまでサインボールを持って来てくださった。
気さくであったかい方だった。

しかし、手術がうまくいかないとイベントも楽しくないものだ。当たり前だが・・・
あっちゃんも、1年で一番盛り上がる日にしんどくてかわいそうだった。

今日の一言

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突っ込みどころ満載ですが、あっちゃんは、まだ信じています(たぶん)