肝芽腫の会(7/4) 参加 ソラフェニブ(分子標的薬)を活用しているとは。。
肝芽腫の会
半年に一度程度開催される肝芽腫の会に参加。会の講演の内容は、二部構成で、前半は、麻酔をテーマ、後半は、肝芽腫全般の最近の動きについてであった。
あっちゃんファミリーは、駅からの道が混んでいたこともあり、15分ほど参加が遅れた。麻酔は、自分が使われたことがないので、ぱぱには正直難しかった。
後半は、K先生が、治療の最前線についてお話をされた。毎回思うが、医学の進歩は速い。K先生の新しいことへのチャレンジ精神にも感服だ。あっちゃんが治療していたころとは、かなり違う(この病院だけ異常に進んでいる?)。主だった話は、
再発時のAFPの動き
「寛解後の再発時にAFPが上昇しないケースがあるようだが、何か特徴的な点があるか?」と会員から質問があり、これを調べてみたとのこと。肝芽腫の会でも数件聞かれるようだが、病院サイドでの症例報告は、過去1件あったのみで、JPLTでも聞かないとのこと。可能性は否定できないが、非常にレアのようだ。更に、そういったことを体系的に分析した論文は、国内はおろか、世界的にもないそうだ。この点には、K先生も非常に驚いていた。診断時に低AFPの肝芽腫の予後が厳しいという点は、認識として定着しつつあるが、再発時に関しては、件数がおそらく少なく、研究が進んでいないそうだ。
新しい治療手法への移行
日本で肝芽腫の治療法を体系的に決めているJPLTのプロトコル(JPLTⅡ)が終了し、JPLTⅢに移行するとのこと。JPLTⅢでは、欧州で肝芽腫を研究する団体であるSIOPELのプロトコルと同一手法に統合するようだ。だたし、ハイリスクのプロトコルの採用に関して、かなり副作用が強い為、ハイリスク患者への国内での導入に及び腰だとか。(あっちゃんパパの昔の記憶だと、SIOPELが非常に有効な治療法といえるのは、ハイリスク患者の寛解率を大幅に改善させたという認識なのだが、、、、)
SIOPELのGUIDELINEを見たら、①Standard ②High risk ③Very High Riskの三つに分けられていた。おそらく、①と②あたりまでは、採用できても③で意見が割れているのだろうか?ちなみに、②がSIOPEL3、③がSIOPEL4と呼ばれているプロトコル。
大量化学療法の見直し
大量化学療法については、肝芽腫には基本的に効果がないということで、全国的にコンセンサスが出来上がったとのことだ。この点は、ほんとかなあと個人的には思う。特に内科系の先生は、抗がん剤に頼る習性があるので、どうなのかなと思ったりします。
ソラフェニブの使用
分子標的薬のネクサバール(ソラフェニブ)を小児に投与して、効果を実感できたというものだ。これはすごいの一言です。大人の肝がんの治療では、ネクサバールは、2009年に国内でも承認されていました。あっちゃんパパも、2011年当時、この薬について担当医と話した記憶があるのですが、小児臨床はないので、無理とのことでした。大人の場合でも、海外の臨床結果を採用し、国内では、第一フェーズの臨床試験(安全性の試験)のみでの承認だったので、なおさら小児へは慎重だったのだと思います。
この薬については、http://www.nexavar.jp/ja/home/という専門のWEBがあります。ただ、K先生いわく、種々のハードルがあり、K先生の病院以外での処方はかなり難しいだろうとのこと(詳細は、親御さんから、直接K先生にお問い合わせください)。K先生は、副作用もあり、安易に使うべきではないが、切り札としてあるのは大きいのだという。実際に、肺転移腫瘍を何度切除しても再発を繰り返した肝芽腫において、ネクサバールで、寛解に持っていった例があるという。
※分子標的薬とは、癌細胞に標的を絞って攻撃する薬の総称です。実際には、副作用もありますが、通常の抗がん剤のように、なんでもかんでも攻撃するわけではないそう。ネクサバールは、癌細胞が増殖する際に、栄養が必要なので、その為の血管を縦横無尽に作るのですが、この血管を作ることを妨げることで、癌の増殖を抑えるというものだそうです。
こんなところが会の内容でした。後は、終了後の飲み会で、ちょっとお酒が入ってのオフレコ話がためになった。
今日の一言
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あ、この前の写真消しちゃった、、、どうしよう
ネットでカンタン写真プリント☆プリントラッコ