高機能だが、体内から排出されにくい難燃剤
難燃剤
火災による人的・経済的損失を防止する為、プラスチック、ゴム、木材、繊維等を燃えにくくするために使用される。難燃化する素材は、高分子有機材料(ブラスチック、シリコンゴム、合成繊維、合成ゴム等)。非常に安定しており、体内に取り込むと長く残留し、有害事象が生じる。
構成成分による分類
有機難燃剤-ハロゲン系、リン系、その他(複合型等)
無機系難燃剤-金属水酸化物、アンチモン系、その他(赤リン系を含む)
※有機化合物- 炭素と結合した化合物
ハロゲン系の難燃剤の臭素系難燃剤の毒性が特に懸念されている。これらは、PCBやダイオキシンと類似の構造を持つため、脂溶性が高く、一旦体内に取り込むと排出に時間がかかり、蓄積が進みやすい為。
図 代表的な臭素系難燃剤について
(出所:臭素系難燃剤の種類とその分析方法)
臭素系難燃剤とは、家電製品で用いられているプラスチック、ゴム、織物などの可燃性物質に添加して、燃焼速度の減少または抑制させるために使用される化合物。
ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)
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構造がポリ塩化ビフェニル(PCBs)と類似する事や、分解して臭素化ダイオキシン類を発生する事などより、その存在は注目されています。 環境中では、底質、環境大気、魚介類などにおいて、デカブロモジフェニルエーテル(DeBDE)を中心として各同族体において検出例が多く報告されています。
ポリ臭素化ビフェニル(PBBs)
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PBDEsと同様、分解して臭素化ダイオキシン類を発生するため、ドイツなどではその使用を自主規制している。甲状腺ホルモンかく乱作用があると報告されており、現在日本では、生産・使用及び輸入販売禁止。環境中では、底質、魚介類などにおいて検出される。
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テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)
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臭素系難燃剤の中でも、需要量は極めて高く、年間約30,000トンと臭素系難燃剤全体の約50%を占める。TBBPAは、PBDEsより強い環境ホルモン作用があり、光および熱分解により、脱臭素化したビスフェノールAを生成することが報告されている。環境中では、環境大気をはじめ底質、魚介類などにおいて検出される。