3/14  肝芽腫の再発リスクに関する報告 JPLT-1治験の結果

再発の可能性と傾向

JPLT-1の報告によれば、再発に関して

  1. Stage4(発覚時遠隔転移あり)-再発例は全例厳しい
  2. Stage1~3(発覚時遠隔転移なし)-原発巣の完全切除ができた90例のうち、12例が切除手術後再発(再発率13.3%)
  3. 12例のうち、残肝部分への再発4例、肺転移例8例
  4. 再発12例のうち、再発巣が切除できた9例が生存、8例が寛解(寛解例の内訳は、残肝再発4例、肺転移4例)
  5. 肺転移の寛解に関して、化学療法のみでの寛解例はなく、全件外科的切除により、転移巣の摘出が必須

詳細は、論文集の”小児肝癌の再発例に対する治療の検討”を参考にしてください。

 

肺転移に関して、2010年の以下の報告によれば、

  1. 本邦において、治療中・治療後の肺転移例は14例
  2. 男女比は、男子11例、女子3例。肝芽腫の男女の発症割合を考慮しても、男子に多い。
  3. 転移時期は、手術後化学療法中6例、治療終了後半年以内6例、それ以降or不明 2例

※最近、JPLT-1の再発の論文を読んだところ、この論文と整合性が取れないので、この論文の内容は、参考程度にしてください。特に再発が比較的手術後早期のみに集中しているが、JPLT-1の結果では、初診時から2年以内は再発が散見されている。



(出所:完全寛解後に緩徐な血清AFP値の上昇に伴って再発肺転移を認めた肝芽腫の1例/杉藤 小児がん : 小児悪性腫瘍研究会記録 47(1), 132-136 2010)

 

表1Bによれば、14例のうち、4例が報告時に死亡とある。

 

この二つの論文報告を総合すると、

発覚時に遠隔転移が無く、完全切除出来た症例に関して

  1. 報告時の再発率は、13.3%(12/90例)。残肝4%、肺転移9%。
  2. 報告時の再発死亡率は、3.3%(3/90例)←肺転移によるもの
  3. 残肝再発は、生存可能性が高く(報告のケース100%)、肺転移例は、相対的に厳しい(報告のケース-生存率62.5%)
  4. 肺転移は、全体の42%が治療中、残りの42%が治療終了後半年以内。治療開始から一年程度を過ぎた時点までに約95%が発病している。

 

以上から、まずは、完全切除、それができた場合は、次は、一年間の肺転移の有無がポイントとなり、それを超えると、残肝再発や、肺転移リスクは残るものの、徐々に安定期に入るといえるか。

 

今日の一言

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これは、流石にやりすぎでしょう。ほんまにこうなれるんやったら即買いやけど。