積極的なアプローチが求められる肺転移肝芽腫の外科の役割

肺転移と外科医の役割

海外での肺転移に関する論文を見つけたので、ABSTRACTだけ読んでみた。本文は、有料で、結構高い。

肺転移に関しても、切れるものは積極的に初発時に切るのがよさそう。

表題は、”Surgical resection of pulmonary metastatic lesions in children with hepatoblastoma”
(肝芽腫の小児患者における肺転移巣の外科的切除について)

(出所:Rebecka L. Meyers/Journal of Pediatric Surgery Volume 42/Pages 2050-2056, December 2007)

以下は、ABSTRACTの訳です。
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背景
肝芽腫に関して、肺が最も一般的な転移先であることはよく知られているが、開胸による手術および、肺転移の外科的切除の役割については、いまだ不明確なままである。この研究の目的は、肺転移巣の外科的切除を受けた肝芽腫患者の長期的な結果を明らかにすることにある。

手法
COGのINT-0098の肝芽腫患者を再検証してみた。181名の患者のうち、詳細なデータが利用できた175名の患者を評価対象とした。予後の要因(組織、切断面のマージン、手術の合併症、AFP等)も調査した。

結果
初診時からあった肺転移に対する開胸:
38名の患者が肺転移を有していた(COG Stage4)。この38名のうち、9名が開胸手術を行い、肺転移巣切除手術を受けていた。そのタイミングは、原発の肝腫瘍の切除手術前(2件)、切除と同時に(5件)、切除後(2件)であった。
肺転移巣の切除手術を受けた9名のうち、8名が長期生存者であった。

再発肺転移巣に対する開胸:
20名の患者が、一度寛解となった後に肺転移の再発となった。9名がStage1 or 3で、11名がStage4であった。20名の全員が2nd-lineの化学療法を受けていた。このうち
13名が開胸手術(8名が転移巣の切除手術、5名が転移巣の生検のみ)を受けたが、4名のみが、長期生存者であった(2名がStage1、2名がStage4)。

結語
外科医の立場から言えば、肝芽腫の肺転移巣の外科的アプローチ、また手術のタイミングは、非常に多様である。
開胸術は、再発肺転移巣には注意深く行われるべきで、おそらくは、初発時の肺転移に対してより積極的に行われるべきであろう。また、タイミングに関しては、術前化学療法の後に行われるべきであろう。以上のことが、今回の大規模多施設レビューからは見て取れよう。
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今日の一言

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便秘なら、水飲めばいいだけじゃん!!1日1~2リットルくらいかな