4/6 肺への再発疑惑あり!? 肝芽腫の肺への転移の可能性について調べる
不幸は、突然忍び寄る。
定例のAFP測定日、今日の結果は、21.3。先週の9.5から倍以上への上昇。
で、再発の可能性が出てきた。術後の化学療法で一時的にAFPが上昇することが散見されるとの報告があることも認識しているが、気になってしょうがない。
肝臓は完全切除できたということであったので、肺への転移の可能性?かということで、肺転移について調べてみた。あっちゃんままが、肝芽腫の会に出席した時に、肺転移をテーマとした話が聞けたということで、その時に、配布された論文の内容より、
- 原発巣の違いによる適用を考慮する必要があるが、効果が期待できる症例(肝芽腫は効果が期待できる)については、積極的に切除すべき
- 遠隔転移と伴う腫瘍-全身病とみなされ、転移巣切除の意義は限定的。ただし、肺転移の場合は、腫瘍細胞が第一関門の肺でとどまり、病巣を形成していると考え、切除が考慮される(カスケード理論)。
- 切除なしで、肝芽腫の救命の可能性は低い。
カスケード理論-転移は、肝転移が第一、その次に肺転移で、最終的に全身転移と、段階的な転移形式をとる仮説が提唱されており,初期の転移はlimited diseaseである可能性を示唆している。
(出所:Weiss L,et al: Haemantogenous metastatic patterns in colonic carcinoma: An analysis of 1541 necropsies.J Pathol 150:195~203,1986)
肝芽腫の肺転移例-切除なしでは、救命の可能性は低い実例
横浜県立こども医療センター 42例中肺転移8例、うち3例に肺切除。2例が長期生存、1例が脳転移。
SIOPEL-3HR-ハイリスク患者150例中、70例が初発時肺転移。術前化学療法で転移巣が消えなかった15例中、3例に肺切除し、全例再発なし。肺非切除12例中、6例死亡、4例再発中。
COG INT-0098-登録181例中38例に初診時肺転移有り。9例に肺切除が行われ、8例が長期生存。肺生検のみにとどまった5例中、長期生存1例。
論文によれば、CTでは見つけれられない転移巣が、3割程度あるという。
総病巣数-112 (転移巣98/ 瘢痕等 14)
転移巣98-術前CT描出あり 70(71%)/ CT描出なし 28(29%)
CT描出なし28-視診20 / 触診 8
術前のCTで描出されたのは、70件のみで、28件が術中に発覚。
なにかの本で、CTで検出される腫瘍は最低でも1㎝以上の大きさでないと難しいとあった。実際、この論文の論調として、1cm弱のものは、視診で初めてわかり、触診で直径2mmのものを発見とある。
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このため、肺切除を腹腔鏡か、開胸という観点では、視診・触診の重要性から、開胸を基本とするとあった(ただし、微小腫瘍の切除の必要性に関しては結論がでていない)。