肝芽腫の治療法は欧州と合流か?(新療法の治験開始)
国内における肝芽腫の新しい治験がはじまる
JPLT(日本小児肝がんスタディグループのホームページの会員情報が3.28付で更新されたようだ。
あっちゃんパパは会員ではないので、内容はわからないが、もう少し調べてみると、治験の情報にそれらしいのを見つけた。
国内で新しい治療方法の治験が始まったようだ。JPLT3-IとJPLT3-Sというものだ。
JPLT3-S
JPLT3-I
の二つの臨床試験登録が見つかった。
このSとIというのは、おそらく、Standard(標準)リスクとIntermidiate(中間)リスクのことを示唆するのであろう。
治験療法のメリットとデメリット
JPLT3-Sの場合、シスプラチンのみを2週間ごとに投与するという。JPLT3-Iの場合、シスプラチンとドキソルビシンを三週間間隔で投与するという。
これらは、欧州のSIOPELのプロトコルを日本にもってきたものだ。
あっちゃんは、これに先立ってシスプラチン単剤を二週間ごとに投与する治療をした(効かなかったけど)。従来のシスプラチン+ピラルビシンと比較してシスプラチン単剤の長所は、二つだと思う。
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・二週間おきなので治療期間が従来より短くなる。
・二点目は、心毒性のある抗がん剤を使わなくていい。
この二点目は、小児科医にはかなり大きいようだ。
SIOPELの結果の論文を読んだ際に思ったが、長期生存率はほとんど変わらないが、デメリットは、シスプラチン単剤投与をした場合、抗がん剤が効かなかった患者の割合が、シスプラチン+ドキソルビシンを投与した場合より、数%高かった。有意な差ではなかったが、あっちゃんのように、単剤では効かない患者もいるので、効かない場合、早い段階での切り替えが必要だ。
もう一つ臨床試験の登録があった。これも、欧州ではすでに行われてる臨床試験(結果は確認してませんが)で、シスプラチン投与により発生する可能性のある難聴を軽減する目的でSTS(チオ硫酸ナトリウム)を投与するという。
日本でも、聴覚毒性に対する対応が始まった印象だ。あっちゃんの治療開始時には、既に欧州では治験が始まっていたので、先生にこの件を聞いてみたのだが日本ではまだ行われていないということで、ダメだった。時代の流れは早い。
※2015年に入り、JPLT3-Hというハイリスク患者の治験も始まっています。くわしくは、
肝芽腫ハイリスク患者最新治療法の国内治験開始 欧州論文和訳付
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