化学療法による性機能障害の可能性は?

小児がんの晩期障害に関する情報について

晩期障害について、調べてみた。将来のあっちゃんの妊孕性が気になるので、ここに今回は焦点を当ててみた。

性機能障害については、臨床データが少なく、研究が進んでいない。小児がんのサバイバーの増加はまだ最近の話だ。

情報も、成人の副作用をそのまま、小児の性機能障害例としてあてはめられていたり、白血病等造血器腫瘍の性機能障害を持って、小児がんの性機能障害として語られたり。

肝芽腫の性機能障害という点では、症例も少なすぎて、議論するには臨床データが必要なのであろう。

あっちゃんは、女の子なので、女性の性機能を中心に調べてみた。

まず、肝芽腫の会のホームページでは、晩期生涯として、

”現在分かっている晩期障害は、『腸閉塞』、『心筋梗塞』、『心機能障害』、『歯の形成障害』、『聴力障害』、『心の発達の遅れ』などです。その他にも「これは治療の影響ではないか・・」というものはいくつかありますが、はっきりとしているのはこれらです。”

とあります、不妊症を含む性機能性障害については、記載はありません。通常、医師から受ける説明としては、CITA関連では、シスプラチンによる聴力障害、テラルビシンやアドキソルビシンによる心臓の後遺症の2点でしょう。
ITECの静脈の際には、エトポシドによる二次がんの危険性の指摘といったところでしょう。小児がん診療ハンドブック(医療ジャーナル社出版)にも、上記3点が肝芽腫の晩期障害として記載されています。

では、不妊症の可能性が無いかというと、シスプラチンには、不妊症の危険があると記載があったり、一般論として、抗がん剤の副作用として不妊症の可能性あると記載されている。

“化学療法と症状管理 性機能障害・二次発がん”というレポートを見つけた。これは、成人の化学療法の説明であるが、比較的、あっちゃんぱぱが知りたかった内容だ。以下、レポートの内容から。

まず、性機能障害とは、女性であれば月経の有無、男性であれば、適正量の精子数の有無(こっちはやや曖昧)で判断する。

 

抗がん剤の性機能関する晩期障害

抗がん剤について、不妊症になりやすい薬と、それほど影響を与えない薬がある。

シクロフォスファミド等のアルキル化剤の卵巣毒性が数多く報告されているそうだ。

ITECのイフォスファミド(イフォマイド)もアルキル化剤である為、毒性がある可能性があるが、このレポートでは不明となっている。

CITAのシスプラチンについても、卵巣毒性の報告があるようだ。ただ、更に検討が必要であるともある。

まだ、シスプラチンの卵巣毒性に関しては、総投与量と無月経の頻度が関連しているとの報告がある(1989なので、成人のケース)。

投与量・投与方法と卵巣毒性については、個人差が非常に大きく危険量は不明とのこと。

年齢と卵巣毒性に関しては、治療時の年齢が高いほど卵巣機能回復の可能性は低くなるといいます。

初経以前の小児期においては、抗がん剤投与は、卵巣にほとんど影響せず、初潮時期や治療後の月経周期に与える影響は少ないと考えられているそうです。

男子に関する解説もあるので、関心のある方は、ご一読ください。

胎児への抗がん剤の影響

次に、胎児への影響に関しては、影響は少ないと考えられているそうです。
治療後、6か月程度期間をあければ胎児への薬剤の影響を懸念する必要はないといわれてる(滝沢 憲:産婦の実際,46:815-821,1997)。
妊娠中に、抗がん剤の投与を受ければ、その影響で自然流産することがほとんどだ。が、器官形成期には奇形児のリスクもある為、適正な管理が必要と思われます。

一部の遺伝性のものを除き、生まれてくる子が癌に罹患する確率は一般と変わらないという。生まれてくれば、みな同じか。

総論としては、化学療法による性機能障害は、肝芽腫の患者の多くを占める思春期前の小児・幼児に関しては、その影響はあまりなく、またあったとしても一時的と言えるように思えます。

では、なぜ小児がんの晩期生涯として、不妊症が言われるかという点が腑に落ちなくて、いろいろ調べたところ、白血病等で用いられる放射線治療が、不妊症に大きく影響するようです。
その点はまた次回にでも。、

 

今日の一言

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結婚指輪よりいいかもね