肝芽腫ハイリスク患者の世界で最も進んでいる治療法(SIOPEL-4)
肝芽腫ハイリスク患者向けにさらに進んだ治療法SIOPEL-4
欧州で新しい論文が発表されていたので調べてみた。
ABSTRACTだけだったが、他で調べてみたら肝芽腫患者のSIOPEL4治験結果が全文がフリーで掲載されている。
少し前に発表されていた一つ前の肝芽腫ハイリスク患者治療法(SIOPEL3-HR)の結果をもとに一歩踏み込んだ治療手法で、結果も改善していた。
日本も欧州のプロトコルに歩み寄っているようだが、肝芽腫の会で、K先生いわく、晩期障害がきついようで、採用に意見が分かれるとのこと。
欧州研究グループの基本的な考え方として、キーとなる抗がん剤がシスプラチンである点は疑いないが、最適な投与量、投与スケジュールは確立されていない為、この確立を重要課題として取り組んだのが、今回の治療法(SIOPEL-4)という流れだ。結果だが、
肝芽腫ハイリスク患者の予後に改善が見られる
3年イベントフリー(寛解後無病での)生存率は76%、トータルでの生存率は83%と、標準リスクの肝芽腫にかなり近い。SIOPEl-3のハイリスク患者の生存率が69%とあるので、14%改善したことになる。
今回改善が目立ったのは、転移あり患者の生存率のようだ。前回の治験結果(SIOPEL-3のハイリスク患者)のイベントフリー生存率が56%であったのに対し、
今回の治験結果(SIOPEL-4)では77%と21%の改善である。トータルの生存率で比較しても17%の改善であった。
ちなみに、国内の治療手法(JPLT-2)の5年トータル生存率は44%である。3年と5年の差はあるとしても、SIOPEL-4の結果はかなり優秀であったと思われる。
改善が目立つ一方、PRETEXT-4の転移なし患者に関しては、SIOPEL-3と比較して、イベントフリー生存率の改善は見られなかった。
トータルでの生存率は、改善していた。PRETEXT-4に関してもトータルでの生存率は改善しており、ここまで改善してくると、従前のPRETEXT-4では移植のほうが、切除より予後がいいというような認識に関して、生体肝移植の長所・短所を考えると、議論の余地が生まれそうである。
米国では、移植検討された肝芽腫患者も積極的な切除で良好や予後が報告されているので、今後移植と切除の判断ルールについて、再度議論される必要があるかもしれない。
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