肝芽腫ハイリスク患者の最新治療法の結果が改善

最新治療法の手順

治療手順であるが、前回のハイリスク患者治療法(SIOPEL3-HR)から、さらに抗がん剤の投与間隔が短くなっている。

SIOPEL3-HRでは二週間おきだったが、今回は一週間おきの投与になっている。具体的には、

SIOPEL4手順

詳細は、レポートを参照していただきたいが、

術前には、シスプラチン、ドキソルビシンの組み合わせを3クール(シスプラチン合計8回投与、ドキソルビシン6回)特にシスプラチンは、一週間おきに投与(各クールの間は二週間おき)する治療手順で、間をあけずに投与することになっている。

その後、手術→術後化学療法へ移行するか、追加でカルボプラチンを投与して、手術にいくかの選択となる。

最新治療法の治験結果データ

今回対象となった患者数は、申請者67名のうち、肝芽腫と認定された62名。このうち、一期的に肝切除手術された1名、化学療法での効果が弱かった(SD)1名を除く60名が化学療法によるPR(Partial Response)患者であった。

SIOPEL-4 分類

60名のうち、術前のA1-A3クールの後に、追加で化学療法(Cycle B)を行った患者数は13名であった。

初診時転移患者

初診時、転移巣のあった患者39名のうち、化学療法のみで20名がCR、18名がPRとなった。1名は、肺の評価がされなかった。

SIOPEL4完全切除

62名の患者のうち、肝臓の原発巣の完全切除ができた患者は53名(肝切除37名、肝移植16名)であった。37名の肝切除患者のうち、5名に顕微鏡下での残存腫瘍が見られたが、

すべての患者がCRとなり、再発は見られなかった。原発巣が切除できた患者のうち、7名が転移巣の切除手術を行い、トータルで、46名(74%)がすべての腫瘍の完全切除が達成できた。一方、7名が転移巣の切除手術が行われなかった。

SIOPEL4肝移植

肝移植が行われた16名のうちわけは、Pretext4は8名、Pretext3は5名、3名がPretext2であった。このうち、7名が当初転移巣があったが、化学療法で6名の転移巣が消え、1名は、手術にて切除した。これらの7名は、転移巣の再発は見られていない。

SIOPEL4すべての完全切除

46名の完全切除患者のうち、1名が肺転移再発、3名がAFP異常値のままとなったが、6名において術後化学療法で、肺転移巣が消失し、寛解となった。結局、62名のうち、49名が治療終了時にCR(79%)となった。

最新治療法の治療後フォローアップ

フォローアップ
治療終了後のフォローアップ調査では、15件のイベントが登録されていた。再発5件、腫瘍の進行6件、他の理由による死亡4件であった。

最終的に死亡者数は12名で、要因の内訳は再発8名、副作用1名、手術合併症2名、腫瘍の出血1名であった。3年のイベントフリー生存率は76%、トータル生存率は83%であった。

フォローアップ時の再発患者の特性は、初診時転移有2名、Pretext4 2名、初診時腹腔内破裂3名。再発時の場所は、肝臓3、肺1、不明1。

 

SIOPEL4 転移

初診時転移有患者39名のうち、27名がすべての腫瘍切除に成功し、29名が寛解となった。

寛解に至らなかった患者10名のうち、6名が転移巣が残った為、寛解に至らなかった。1名が転移巣が再発、2名が転移巣は縮小したが切除不能のまま、目に見える転移巣は切除できたが、AFPが異常値のままの患者は3名いた。

Pretext4の患者のうち、術前化学療法で、腫瘍サイズがちいさくなった患者のうち、カテゴリー3(Pretext3のことか?)が6名、カテゴリー2が4名、カテゴリー1が1名となった。4名はPretext4のままであった。このうち、4名が肝切除、8名が肝移植手術を行われた。転移巣の切除術が1名の患者で行われた。12名が完全切除を達成し、一人が合併症で死亡、3名が手術を断念した。

 

肝芽腫ハイリスク患者の最新治療法関連論文

肝芽腫ハイリスク患者最新治療法の国内治験開始 欧州論文和訳付
8/5 ハイリスク肝芽腫最新治療法 その1(SIOPEL-4) 世界で最も進んでいる治療の一つ
 

今日の一言

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こんなもんと思うでしょ?でもね、動画は見ないでくださいね、欲しくなるので。