人体に不可逆的な悪影響を及ぼす水銀

 分類すると
金属水銀 – 常温で唯一液体の金属で容易に気化する。消化管からほとんど吸収されないが、気化した蒸気を吸い込むと気管支炎や肺炎を起こすことがある。
無機水銀 – 無機水銀は消化管からの吸収率は10%以下だが、塩化第二水銀は特に毒性が強く腐食性があるために、飲み込むと消化管に潰瘍を起こし、さらに、腎臓に蓄積して腎障害を引き起こす。
有機水銀 – メチル水銀やフェニル水銀等あり、毒性が強く、魚介類に微量に含まれるメチル水銀が特に重要。メチル水銀は、飲み込むと、消化管から容易に吸収され、さらに「血液脳関門」(毒物が脳に到達するのを防ぐためのバリアー)や胎盤も通過。その結果、視野障害、聴覚障害、言語障害、運動失調などの中枢神経系の障害が生じます。

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人体では、メチル水銀自体は比較的排泄されやすい化学物質の一つだが、中枢神経系に入り込みやすく、胎盤を通過しやすいという化学的な性質を有しており、その毒性作用は神経細胞に生じた障害によるものである。いったん生じた脳・神経細胞の障害の多くは不可逆的で、完全な回復は望めない