食品添加物による食中毒の歴史

食品添加物・化学物質による中毒事件


食品添加物が過去どのような食中毒事件を起こしているか、確認してみました。

過去は、しばしば食品添加物により食中毒が起こっていましたが、1970年代の毒性検査で新たな毒性が明らかになり、規制されたものや、適正容量の把握により、2000年代に入り、食品添加物による食中毒は、ほとんど起こらなくなりました。

※ヒスタミンによる食中毒は、化学物質による食中毒に厚生省では分類されていますが、生成過程が腐敗によるものなので、除外しています。

2000年代の食品添加物・化学物質による食中毒事件

2000年代に入っていからの化学物質に関係する事故はほとんど見られません。

多かったものとしては、界面活性剤(=洗剤)の食品への混入です。業務用の濃度の濃い洗剤を、他の液体と間違えて、食品に混ぜてしまったことが原因として多いようです。

それ以外には、肉の赤身を綺麗に見せる為にニコチン酸の食肉への混入が見られました。しかし、以前と比較して、重篤な化学物質による食中毒は見られていません。

1900年代の食品添加物・化学物質による食中毒


反面、1970年代以前は、食品添加物の使用方法に対する認識があまく、食中毒を出すこともたびたびありました。

メチル水銀による水俣病、カドミウムによるイタイイタイ病や、ヒ素の混入したミルクによる中毒等、重金属が食品に混入することにより大規模な中毒患者がでました。

それ以外のもので多かったものとしては、

過去の主な化学物質による食中毒
  • D-ソルビット、ズルチン等の甘味料の過剰摂取
    戦後は、甘味料が慢性的に不足し、安価に作れる人工甘味料が一般家庭でも普及していました。これを子供が過剰に摂取し食中毒を起こすことがたびたびありました。
  • 亜硝酸ナトリウムの過剰摂取による中毒
    これは、釣ったイワシを塩で保存しようとした際に、誤って業務用の亜硝酸ナトリウムと塩化ナトリウムの混合物を使用してしまい、イワシを食した際に食中毒になったもの
  • 酢酸の過剰摂取による中毒
    製造業者が、ところ天の製造時に4%に希釈した酢酸を使用しようとして、誤って純度90%の酢酸を直接しようしたもの
  • 過酸化水素による中毒
    レストランにおいて、スパゲッティを水でほぐそうとして、誤って、過酸化水素液をしようし、その後の加熱処理でも残存したもの
  • グルタミン酸による中毒
  • MSG

    中華料理、味付けコンブに付着したグルタミン酸を過剰摂取して、食中毒となったもの

食品添加物の事故一覧

食中毒を起こした化学物質の毒性

 

PCB、カドミウム、メチル水銀、ヒ素等の重金属は有害物質として知らているが、現在も様々な食材に残留している為、汚染濃度に関して、規制値が決められています。

食中毒等を受けて規制が強化された物質

ズルチン

    過去に食中毒を起こした化学物質で、使用禁止になったものは、ズルチンです。これは、人工甘味料ですが、一時期食中毒が多発した為、1969年に使用が禁止されました。

    致死量が、0.7g/Kgと家庭の台所にあったものとしては致死量が低く、子供の誤飲食による中毒等もあったようです。

過酸化水素

    過酸化水素については、発がん性が認められ、1980年に、製品の完成前には、除去されなければならないとされました。

    これは、水と間違えて、食材に混入したケースが多く、食品添加物としてよりも、管理上の問題で事故が多く起きました。

ニコチン酸    ナイアシンアミド 500mg 100カプセル (海外直送品)

    ナイアシン(ビタミン)として、天然にも存在し、体内でも生成される為、厳しい制限はもうけられていませんが、1982年に食肉等への使用は禁止されています。

臭素酸カリウム

    発がん性に関して、可能性(2B)が示唆されており、1982年にパンの製造以外では使用を禁止されています。

    パンの製造過程においてもできるだけ使用しないほうが良いとされており、業界的には自主規制の対象となっています。

    ”某製パンメーカーのパンがなぜかびないか?”といった話題がよくネットで上るようですが、実際は、一定期間を超えるとかびてしまうようです。

 

グルタミン酸

1968年に、アメリカの中華料理店で、同様の食中毒がおき、中華料理店症候群(Chinese Restaurant Syndrome)として知られるようになりました。

中華調味料の過剰摂取は、国内でも同様の中毒症状が見られました。

グルタミン酸(MSG)は、量を増やしても、砂糖や塩と異なり、味が濃すぎて食べられないということがなく、食した後に、体に中毒症状が現れます。

実際は、通常の使用量を超えて、はるかに多くの量が使用されていた為で、その後の厚生省の指導で、この手の食中毒はなくなりました。

また、平成20年に、毒性検査を行いましたが、毒性が認められなかった為、ADI(1日に摂取する上限)もさだめられず、安全な添加物との結論になりました

実際に、グルタミン酸の致死量は、20g/KGで、塩の4g/KGよりはるかに多量です。
※ 体重1kg当たり20gの摂取の意味。60kgの体重の人間は、1200gの摂取が致死量。

亜硝酸ナトリウム

事件は、純粋に、食用の塩と間違えて使用した例ですが、この亜硝酸ナトリウムは、発色剤として、ハム等に使用され、その毒性から避けることが好ましいとネット上で指摘が多いです。

毒性が非常に強く致死量が、青酸カリと同等程度との指摘がネット上で見られますが、亜硝酸ナトリウムの致死量が、85mg/KG(2~6g/人と複数文献に)に対して、青酸カリ(シアン化カリウム)は、3~7mg/KG(約200mg/人)となっており、桁は一ケタ異なっています。

勿論、85mg/Kgは劇薬には、変わりないが、50mg/KG以上と以下では分類も異なる為、同一視はおそらく、専門家には許容できないでしょう。

また、亜硝酸ナトリウムには、ボツリヌス菌の繁殖を抑えるという重要な役割があります

ボツリヌス菌は、天然毒、化学毒を含めて最も強力な毒です。ハム類等は、製造工程で、こねた肉が外気に触れる為、菌に感染する可能性が排除できません。その為、菌を抑えるものがどうしても必要になります。

それでも、ADIと比較し、かなりの量の亜硝酸ナトリウムが使われることもあります。1日でまるごと1本ハムを食べるようなことはさけたほうが良いでしょう。

急性毒性

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物質の特性一覧

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